SIG2D は2013年12月31日,コミックマーケット85 西し30b「SIG2D」にて会議録 SIG2D’13 を頒布する.

SIG2D (Special Interest Group on 2D Information Processing; しぐつーでぃー) は,二次元情報処理に強い興味を持つ研究者・技術者によるグループである.

情報処理技術は二次元の創作活動とその流布に大きく寄与してきた.インターネットと個人ホームページの普及,またその後の pixiv, ニコニコ動画等の二次元作品投稿サイトの登場により,アマチュアの作家は容易に広く二次元作品を発表できるようになり,さらに VOCALOID, Miku Miku Dance 等の無料/安価な二次元創作ソフトウェアの普及により,二次元クリエイターの敷居は引き下げられつつある.その結果,今日のインターネット上には大量の二次元コンテンツが溢れており,人間の大いなる生きる糧となっている.

一方で,流通する二次元コンテンツがあまりに膨大になってきたため,新たな可能性や課題が出てきている.その一例として,インターネット上の全ての二次元コンテンツの中から,自分好みのコンテンツを高い精度と再現率で巡回するにはどうすればよいか,という問題が挙げられる.自分のお気に入りの絵師様の新作を追いかけるとしても,一般的にはそのような絵師様は数十人~数百人単位で居るため効率性が課題となる.まだ見知らぬ素晴らしい絵師様を探す作業も並行して行わなければならない.より一般的に,今まで知らなかったかわいい画像を探し出すにはどうすればいいだろうか.これら全てを手動で行うことはとても難しく,結果として我々は毎日気の赴くままにインターネットを徘徊し,多くの時間を非生産的に過ごすことになっている.

SIG2D は人間の二次元情報処理に関する諸問題を情報技術により解決し,人類がより幸福に非生産的な時間を過ごせるようになることを目標に結成された.

上記の目的を達成するため,SIG2D では年次の研究会を開催し,発表及び意見交換を行っている.本会議録は,2012年11月の第1回会議(この回の会議録は非公開である)に続いて,2013年10月に京都で行われた第2回会議の結果をまとめたものである.